トマト薬局薬剤師のひとりごと⑤ クレアチニン

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トマト薬局の薬剤師がやっている事や感じている事をコラムにてゆるく連載していきます。

よろしくお願いします。

薬局薬剤師の仕事というと薬の調剤をしたり説明していると思われている方が多いんではないかと思います。

そういった仕事以外にも慢性疾患の患者さんでは、血液検査や尿検査の数値を見せていただく事も多いです。

高齢の患者さんにおいて血液検査を見せてもらって基準値以内に入っていない項目でクレアチニン値が基準値以上の患者さんは多いです。クレアチニン値が高めの患者さんからこの項目だけ塩分減らしたり水分多く摂って頑張ってるのに下がらないという話をよくお聞きます。(水分補給足りてない人は水分補給する事で少しだけはクレアチニン値低下はします。)肝臓等は例えば一部切除しても再生される臓器ですが、腎臓は毛細血管の集合体のような臓器であり、加齢による動脈硬化などで腎機能が低下するとクレアチニンは改善しにくいのが特徴です。(糸球体硬化症という言葉があるくらいです。)ただ改善しないからあきらめるのではなく、腎臓の毛細血管に負担がかかるよう高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病がある方ならその治療を継続してする事で更なる腎機能低下(クレアチン上昇)を抑制出来ます。なのでクレアチニンに関しては数値が改善しないから良くないではなく、何年にもわたって数値が悪化しないなら十分普段の努力の成果が出ているとお話をする事が多いです。

今は腎機能が正常であっても高血圧・高脂血症・糖尿病などの疾患はある方は多いと思います。それらの疾患の悪い数値と年数を掛け合わせた物が動脈硬化という結果になって腎臓のみでなく心筋梗塞・脳梗塞など重大な病気に繋がります。今は良い薬がたくさんありますので、受診と薬の服薬さえ続けていただければ未然に大きな病気が予防できます。

生活習慣病は自覚症状がない場合も多く、受診や治療が遅れたり治療や服薬を中止される方も少なからずいます。理由としてある程度手間もお金もかかるのも事実だと思います。

ただ数値が悪くても何か症状出てから病院に行けばいいだろうと思っていると、腎臓のように後からでは元には戻らない場合もあるという事も理解して欲しいなとよく思います。

トマト薬局の掲げている【薬と健康を通したあたたかいつながりを】にこのコラムが少しでもお役にたてれば幸いです。