トマト薬局薬剤師のひとりごと㉖ 医薬品供給不足

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トマト薬局の薬剤師がやっている事や感じている事をコラムにてゆるく連載していきます。

よろしくお願いします。

実は薬局では一年以上前から問題になっている医薬品供給不足について今日は書かせていただきます。最近ではテレビでも薬をもらいに薬局に行っても薬がなく数件の薬局をはしごされる患者さんが取材されていました。

【医薬品供給不足品】

具体的に特に不足が問題になっているのが、抗生物質や咳止め・痰切りなどの急性期疾患用の薬です。最近のインフルエンザの想定外の時期の急な感染拡大でインフルエンザの治療薬も供給不足になっています。それ以外にも漢方薬や定期で飲まれる慢性疾患の薬(特にGE品が多いです。)も多数あります。

【供給不足の原因】

元々は数年前に医薬品に別の成分が混入した問題をきっかけに、医薬品メーカーの製造過程に問題がないか監査があり、一時製造停止の処置がされたりした事から同じ成分の他社の製品の製造量では足りずに供給不足が起こりました。また新型コロナが5類に移行後に季節はずれの感染症が増えた事も特に最近の急性期疾患薬不足は影響していると思います。薬の製造に関しては急に需要が増えたので製造を増やそうとしても、工場を新しく作るなど年単位の時間がかかる事もすぐにはこの問題が解決しない原因のひとつです。

また個人的な意見ですが日本の医薬品の薬価は年に1回の改定毎に薬価が引き下げられる場合が多く、薬価が下がり過ぎたせいで製造メーカーも安くなり過ぎた薬の製造工場を新しく製造しにくい側面もあるのではないかと思います。

【医薬品供給不足対策】

実際薬局の現場で今までお渡ししてきた薬が入手できない場合は、同じ成分の他社の薬に変更お願いする事があります。(GEで入手が出来ない場合は先発品に変更お願いする場合もあります。)また代替可能な薬に医師と相談して変更させていただく場合もあります。患者さんに出来るだけ御迷惑おかけしないように最大限努力していますので、御理解とご協力いただけましたら幸いです。

また一つの対策として咳止めなどドラックストアなどで購入するOTCとしては入手可能な物もあります。ただ一部の咳止めに関しては乱用も問題になっていますので、既定の量以上の薬の服用は避ける事と併用薬がある方は薬剤師等に確認の上で服用いただければ安全かと思います。

トマト薬局の掲げている【薬と健康を通したあたたかいつながりを】にこのコラムが少しでもお役にたてれば幸いです。