2023/07/26
トマト薬局の薬剤師がやっている事や感じている事をコラムにてゆるく連載していきます。
よろしくお願いします。
最近小児科で働いていると、新型コロナウイルス感染症が5種に変更になった影響だと思いますが、季節外れのA型インフルエンザ感染症の患者さんが多いです。夏場にこの状況は今まで経験がありません。インフルエンザ感染時に覚えていただれば良い事をお伝えさせていただきます。
B型インフルエンザに比べて、A型インフルエンザの典型的な症状は悪寒のするような急な高温の発熱や関節痛などの症状が出る場合が多いです。ただの風邪よりしんどい場合はＡ型インフルエンザ感染を疑っても良いと思います。
〇今はタミフル（オセルタミビル）などインフルエンザの治療薬があるのは皆さん御存知かと思いますが、服用して有効なのは発熱後48時間以内という事は知らない方が多い印象です。インフルエンザの治療薬はウイルスを殺す薬ではなく、急激な勢いで増えるウイルスの増殖を抑える薬です。発熱後48時間程でインフルエンザウイルスのウイルス量はピークになると言われています。ですので発熱後出来るだけ早くインフルエンザの治療薬を服用すれば熱の期間がかなり短くなります。かなり体がしんどいとは思いますが、出来るだけ早めの受診をお勧めします。
〇ジクロフェナクなど痛み止めを整形などでもらわれている方も多いですが、インフルエンザの解熱にはインフルエンザ脳症を増やす可能性があるという理由で推奨されていません。効果は弱いですが一番安全な解熱鎮痛剤はアセトアミノフェン（カロナール）になります。
〇かなり昔にインフルエンザで療養中にお子様がマンションから飛び降りた報道がありましたが、インフルエンザの発熱が治まるまではお子様の異常行動がないか声掛けなどをお願いします。
〇オセルタミビル（タミフル）の粉薬はかなり苦い薬です。飲み方の工夫は薬剤師さんに相談下さい。先に飲むと後から飲む薬も苦く感じるので最後に飲む事お勧めします。あまりに不味くてすぐ吐いてしまった場合は、再度同じ量を飲んで下さい。1回・2回分飲めなくても十分効果はあります。
トマト薬局の掲げている【薬と健康を通したあたたかいつながりを】にこのコラムが少しでもお役にたてれば幸いです。